積雪寒冷地の住宅街に計画された二世帯住宅です。
周囲は1960年代まで流れていた小さな川の名残によって、道路や街区が不規則に設けられており、高低差のある土地に住宅が比較的密集して建っています。
そのため、広い庭やパノラミックな風景を望むことが難しい敷地でした。
「一年を通して開放的に過ごしたい」というクライアントの想いに応えるため、家の中で最大限に「外」感を得られるよう、様々な仕組みを織り込むこととしました。
4つの「囲間(いま)」(高気密高断熱住宅としての性能をもった断熱空間で、「○○をする部屋」といった用途的な意味を持たない空間)と、設備機器や収納スペース等が設けられた「内間(うちま)」を計6個、クライアントの生活に合わせて適切に配置しています。
家の隅々まで温度がほとんど一定である高気密高断熱住宅の特性と、用途を決めつけないプランニング、家の内部に設けられた「もうひとつの内部」によって、自由でのびやかな「外」の感覚を創り出すことを試みました。
仕上材は光・陰影や経年変化を楽しめる自然素材を用い、太陽光や季節の移り変わりを映し出すことを目指しています。
「冬に静かに降る雪を、暖かい室内からゆっくり眺めるのが、これほど美しいとは思わなかった」というクライアントの言葉を聞いて、自然と人間との関係が少しでも築けた気がしました。
エントランス部分の「囲間(いま)」から薪ストーブ、吹抜を見る
黒檀色のBOXが「内間(うちま)」で、設備機器や収納など機能的な空間が集約されている
階段部分の吹抜とスタディスペース
北海道産カラマツの登梁が表された天井が2階を覆っている
外観
周囲の住宅の建ち方や日当たりを考慮し、全体を4つのヴォリュームに分け、ズラした形状となっている
施工エリア | 北海道室蘭市 |
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カテゴリー | 新築(戸建て) |
家族構成 | 二世帯 |
価格帯 | - |
竣工年 | 2018年 |
社名 | 高橋佑介建築デザイン |
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住所 | 〒050-0072 北海道室蘭市高砂町2丁目15-11 |
TEL | |
施工対応 エリア |
全国 |