あるものとあるものの境界面を考えるとき、それぞれの領域を明確に分けるマジックペンで引いた力強い1本の線よりも、墨汁で描いた予測不可能な滲みが生じるような境界が解け合う状態を探求したいと思う。
長命ヶ丘の家は、家族3人がそれぞれの居場所を保ち、適度に距離感を生みつつ、互いの境界が解け合う住まいを目指した。大きな屋根に包まれたワンルームの中央に浴室、トイレ、収納を集約したコアを配置し、その周囲に生まれる機能的従属性を抑えた空間、さらに外に生まれる3mの環状の庭、そして隣地へと敷地中央から放射状に連なる多重環状住居である。 工事中、クライアントとの定例打合せを終えるころ、ふと、娘が不在であることに気づき、探し回ると内部から死角の日の当たる南西の足場に横たわり読書に耽っている姿があった。あの時の娘のように、80坪の敷地の中で展開する生活は、まるで公園のなかで季節や時間によって表情を変える草花の美しさや陽だまりを発見し、自分の居場所を探り出すようである。
施工エリア | 宮城県仙台市 |
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カテゴリー | 新築(戸建て) |
家族構成 | ファミリー |
価格帯 | 〜2500万円 |
竣工年 | 2018年 |
社名 | 株式会社SATO+ARCHITECTS |
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住所 | 〒980-0011 宮城県仙台市青葉区上杉1-1-31 KHビル201 |
TEL | 022-797-5417 |
施工対応 エリア |
全国 |