福島県 - いわき市 2009年

5つの光庭をもつ家

西側ファサード

  
  
  
   
開く家、招く庭
築10年を迎える自邸である。
2階を住居として、1階はさまざまに変化し、成長してきた。
私たちは、住宅が街に開くことを考え続けている。

敷地は、比較的交通量の多い道沿いにひっそりとあった。
間口が狭く東西に細長い土地は長らく空き地で、公民館の近道や子供の遊び場であった。
それらが建築によって分断滅失するのではなく、「人びとが集う記憶の場」を再現したいと考えた。

まず、周辺環境へ配慮して東西方向に余白を取ったヴォリュームを配置。
次に、敷地中央に圧縮された箱型に、光と風を招くための5つの光庭をくり抜いた。
中庭を中心に回遊動線が巡り、生活の場と光庭が交互に現れる平面計画となった。
従前にあった東西の抜け「通りみち」を再現した1階は、常に開かれ人を招き入れる。

建築当初は地元主婦の手芸品を扱い、料理教室なども開かれて賑わう場であった。
東日本大震災後に私たちのオフィスに移行したが、度々イベントを開き地域交流の機会をつくっている。
そうした時、中庭は外の部屋となる。
上階によってたっぷりとした軒下や半外部空間が生まれ、屋内外を自由に人びとが行き交う。

東日本大震災と原発問題を経て激動する地に身を置き、建築に向き合うことは、
私たちの設計主軸を整理し、再構築する機会となった。
街に対し住宅が担う役割や可能性、コミュニティ形成への探求もそのひとつである。
自邸を通して、経年や変化を受け止め、しなやかに呼応できる、都市のストックとなる意識をもつ建築が、
持続した新鮮さを保ち、地域に根付くと感じている。

西側夕景

イベント時の様子

1階ミーティングルーム
中庭(光庭)を介して東西に視界が抜ける

中庭から事務所フリースペースを見る

2階土間ダイニング

2階土間ダイニングとキッチンとの建具

板戸と障子戸により開放度を調節し、家族、親族、友人、客人など、親密度や場の目的に沿って開閉する。

2階朝日が差し込む朝食の間

2階AVスペースから読書の間を見る

中庭を活用した屋外シアター

住宅実例情報

施工エリア 福島県いわき市
カテゴリー 新築(戸建て)
家族構成 ファミリー ペット
価格帯 -
竣工年 2009年

設計事務所/施工会社

社名 (有)ハコプラスデザイン
住所 〒970-8036 福島県いわき市平谷川瀬二丁目6-4
TEL
施工対応
エリア
全国

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