釧路市で最初に中心街となった南大通に面した約35坪の極小敷地に計画したご夫婦二人の家です。
中古住宅を購入しリノベーションする相談を受け何件か物件を見ている内にこの土地を見つけ、土地の価格を考えると新築でも可能性は有るのではと提案しこの計画が実現しました。歴史の有るエリアであり、どこか懐かしい感じを残している街区でもあり、外部はこの街区の記憶でもある切妻屋根を基本としファサードのテクスチャ―は昔は当たり前のように使っていたリシンという砂壁状の仕上としました。
正面がバス通りで停留所が目の前に有る事から外壁を振ることで少しでも室内からは視覚に入らないようにしました。又周辺の環境にとらわれない室内環境を創るためハイサイドライトによる採光を主とする計画としています。
LDKにはキッチンと食卓が一体となった大きな家具を製作し、それを中心にデスクやソファーが置かれています。2階へ上がる階段には沢山ある仕事や趣味の書籍が納まる本棚も一体で構成しました。小屋裏の様な2階からは一部平屋部分の屋根に出ることが出来、釧路の秋の花火大会を望む事ができます。
将来はデッキを造り楽しむ予定です。予算から導かれた小さな空間に夫婦二人の終の棲家が完成しました。