計画地はニセコのスキーリゾートから3kmほど南に離れ、静寂さと豊かな自然に囲まれている場所にある。東側には羊蹄山を眺める事ができ、なだらかな斜面の途中にあるため、より一層大きく開けている。
計画にあたりこの素晴らしい景色を多様に取り入れる事にした。

建築は、ウェルカムブロック、リビングブロック、スリーピングブロックの3つのブロックに分割し、それぞれが大きな景色を抱くように角度を付けて配置、各ブロックの接続点には小さな空間を設けてそれぞれのブロックに移動する際のバッファーゾーンとしている。向きの異なる片流れの屋根を交互に配置し、リビングは大きなパノラマ、寝室は高さを抑えた景色を切り取る開口等、それぞれの部屋からの眺めを多様なものにしている。景色は羊蹄山と反対方向の、木々が生い茂る斜面にも抜けており、森の中に浮遊する気持ちの良い空間となっている。